「ソレはまた・・・」
「うーーーーーーーーーん」
第2回、ガンバレキャプテンさんとうまくやれ!支援プロジェクト本部、不定期会議イン7組。
またしても高校生にとっては難題の問題を重い口で持ちかけた花井に、親切な7組の3人は頭をかかえた。
昨日の予想通り、外では雪交じりの雨が降っている。






























Thank-you Smoking.-----20

















「もー言っちゃえば?普通に」
大して問題視してないような阿部が、紙パックのレモンウォーターを飲みながら野球雑誌をめくる。
「でも、余計心配したりしないかな?」
篠岡の声に、阿部・水谷・花井が顔を上げる。
「どうゆう意味?」
うながした水谷に、少しためらいを見せた篠岡が背中を押された。
「私がね・・・「私が」だよ?」
「うん」
「もし私が、自分の息子が7つも上の人と付き合ってる・・・ってなるとさあ」
サラリと言ってのけた「付き合ってる」がくすぐったいが、今ニヤつくと不謹慎極まりない。きっともう相談にのってもらえない。
花井は状況も読めずあがっていく頬の筋肉を必死でおさえながら、話の続きを促す。
「心配しない?あ・・・さんはそうゆう人じゃない、って私達は分かるよ?」
「・・・うん」
「でもさー・・・その、・・・あ、」
「あ?」
「あ・・・遊ばれてんじゃないのかなーって」
遠慮タップリでそこまで言ってくれた篠岡を、本当に偉いと思う。普通、思っててもいえない。
「・・・そうなの?」
ポカンと口をあける水谷に
「自分におきかえて考えてみて。自分の娘がーって・・・」
と言われ、男子3人はその想像にはあまりに若く、しかし大層納得して首をタテに振った。
この際、息子の場合も娘の場合も関係ない。
「なるほどねえ」
「もう会うな、とか言われそうかもね」
そんなん言われたって会うに決まってるけど、それだと話がこじれるだけで何の解決にもなってない。
はあ、とついた花井の禍々しくでかい溜息に、3人は連動せざるをえなかった。









親に紹介しちゃえばいいのに!
キャプテン支援プロジェクト9組支部の問題児田島が、おしゃべり水谷の情報を聞き入れた途端言い放った。
「親に?」
「俺だったらぜってー親に見せる!そしたらがどんだけいい女かってすぐ分かんだろ?」
「いや・・・」
分かるけど。着替えながら、全員が脳内でそれぞれの考えをめぐらせる。
確かに、「いい女」といえば少し語弊があるかもしれないにしろ、はいい女だと思う。
顔はモチロンだし、スタイルだっていい。あんなきれいな写真を撮れるんだし、自分達を思ってくれている事を考えても
すごく性格だっていい。非の打ち所といえばタバコ吸いすぎってくらいで、それだって気を使ってくれている。当たり前かもしれないけど。
「でもさあ・・・親に紹介ってさあ」
「ねえ」
「なに?なんかだめなの?」
「いや・・・」
親に紹介って、結婚とか、それ前提とかじゃないのかなあ、と巣山や西広や栄口はボンヤリ思った。
たった何日しか付き合ってもないのに、いきなり親に紹介ってはやくね?
っつか・・・
さんがはいよーってノコノコ花井んち、いかねーんじゃねーかな」
水谷のド直球ストレートパンチは、花井のみぞおちにクリーンヒットKOどうもオツカレサマでした。
「だっ・・・だよなあ」
「っつか花井は親に会わせたいの?」
そう聞かれて、勝手な意見も想像も受け流していた花井の動きがピタリと止まる。
「あわせ・・・」
どうだろう。いや、会わせたくは、ない、気がする。
現状、確実に、ふられるのはこっちだと思う。そしたら親や家族にどんな顔されるかと思うと、想像だけではらわた煮えくり返りそうな気がしてならない。
「・・・たくはない」
「まーねー。普通そうだよなあ」
「えー???そうかあ?」
「田島が特殊だよなあ」
「三橋もあわせたくねえ?」
「お、おれはっ、あわ、あわせたい!」
「だよなああ??」
まぁこの2人はこんな感じだろうな、なんて妙に納得してしまいながら。
自分もこのぐらい楽観的だったらいいのに、と心底思う。もっと素直に、甲子園ーみたいに、の関係も楽しくやれたら。
目の前にいたらあんなにどっぷりズブズブ甘い風呂につかってしまうのに、少し不安になるとどうしようもなく掘り下げてしまう。
これが思春期ですよ、と言ってくれる大人は残念ながらいない。百枝かあたりなら言いそうだが、その2人は
この件に関しては非情に立ち入ってほしくないので困る。


いやに頭に残ったのは
田島が言った「でもだぜ?」で。



全く憂鬱のまま家に帰って玄関をあけると、見たようなクツが目に飛び込んできて、十分聞いたことのある笑い声が耳に飛び込んできて
ついでに鼻を掠めるあの煙の匂いがした気がして。

兆速で花井はリビングのドアをあけた。
























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